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給湯器交換はDIYでできる?安全に行うための注意点

給湯器交換について

目次

  1. はじめに

  2. 給湯器交換をDIYで行うことの現状と魅力

  3. DIY交換の危険性──具体的な事故リスク

    • ガス漏れ・一酸化炭素中毒

    • 火災・爆発の危険

    • 水漏れ・漏電などの二次被害

    • 保証・保険・法的トラブル

  4. 給湯器交換に必要な資格・法令について

    • 主な必要資格

    • 無資格での作業がもたらす法的・経済的リスク

  5. “DIYでできる部分”と、絶対に業者に任せるべき部分

  6. 安全に交換するためのステップと業者選びのポイント

  7. まとめ

  8. 豆知識

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はじめに

給湯器が古くなったり故障したりすると「自分で交換できないかな」と考える人も多いでしょう。費用を抑えられるという魅力があります。でも、給湯器の交換は“ただ機械を取り替えるだけ”ではなく、ガス・電気・水道といった複数の専門要素が絡みます。安全性や法令遵守を軽視すると、大きな事故や損害につながることも。この記事では、DIYで給湯器交換を検討している方に向けて、「なぜ危険なのか」「どこまでなら自分でもできるか」「安全に行うにはどうすればいいか」を丁寧に解説します。



1. 給湯器交換をDIYで行うことの現状と魅力

まず、DIYでの交換を考える理由は例えば:

  • 本体代+業者工賃を削減したい

  • 自分の手で直したい・スキルを身につけたい

  • 取り付け自体は“見ればできそう”と思う

こうした気持ちは理解できます。ただし、見た目以上に複雑で、安全設計がシビアな部分も多く含まれます。


2. DIY交換の危険性──具体的な事故リスク

以下のような重大なリスクがあります。

リスク

内容

ガス漏れ・不完全燃焼・一酸化炭素中毒

ガス配管の接続不良があるとガス漏れを起こす。燃焼排ガスの排気がうまくいかないと、不完全燃焼が起きて一酸化炭素が発生することがある。これが中毒を引き起こす危険。

火災・爆発の可能性

ガスが漏れ、着火源につながると爆発の危険。また、電気配線が不適切だと漏電やショートから発火する可能性も。

水漏れ・建物被害

給水・給湯の配管がしっかり取り付けられていなかったり、シールが甘いと漏水。天井裏や壁内に水が回ればシロアリ発生や構造の腐食など二次被害が出ることも。

電気トラブル・感電

給湯器には電気部品もある。電源を切らずに作業したり、漏電防止機器が未設置だと感電のリスク。さらに電線の絶縁不良によるトラブルも。

保証・保険対象外になる

メーカーの取扱説明書や保証規定で「設置は有資格者によるもの」と明記されていることがある。無資格で設置した場合、メーカー保証が無効になることが多い。火災保険など保険も適用外となる可能性。


3. 給湯器交換に必要な資格・法令について

DIYで交換する前に、どの部分にどんな資格が必要かを知ることが重要です。

資格名

対応できる工事内容

液化石油ガス設備士

LPガス用給湯器の設置・配管工事など。

ガス可とう管接続工事監督者

柔らかいガス配管(可とう管)の接続作業を含む監督・管理。

ガス機器設置スペシャリスト・特定ガス消費機器設置工事監督者

ガス機器の設置・接続全般を行う専門的資格。

第二種電気工事士

給湯器の電気配線・電源接続を安全に行うため。

給水装置工事主任技術者 等

給水や給湯の配管の分岐や取りつけなど、水道系の工事部分で必要な場合がある。

さらに、無資格工事を行うことは法令違反となることがあります。罰則(罰金等)の対象になるケースもあり、また事故が起きた際の責任が大きくなります。


4. “DIYでできる部分”と、絶対に業者に任せるべき部分

自分でも取り組める可能性がある部分:

  • 給湯器本体の“外観設置”(ただし壁の強度や固定方法を正しくできる必要あり)

  • リモコンの交換や操作パネルの取替え(電源・配線の接続がない、または簡単なものの場合)

絶対に業者に頼むべき部分:

  • ガス配管の接続・閉止・開放(微妙な取り付け角度やシール・パッキンの選定・取り付けにミスがあると漏れる)

  • 電気配線や電源の取り付け、アース接続など安全性が求められる作業

  • 排気ダクトの設置及び排気の通り道の確保(不完全燃焼や逆流を防ぐため)

  • 給水・給湯の配管の加工や接続、水抜きなど、水害や漏水を防ぐ技術が必要な作業

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5. 安全に交換するためのステップと業者選びのポイント

DIYを完全に否定するわけではありませんが、安全かつ合法に給湯器交換をするには以下のステップとポイントが重要。

ステップ

  1. 現状の給湯器の仕様を確認する型式・ガス種(都市ガス/LPガス)・号数(お湯の出る量)・設置場所・配管・排気方式など。

  2. 交換する機種の選定同じ号数で代替可能か、より効率的なものに替えるか。排気方式や設置場所の制約をクリアしているか。

  3. 資格を持つ業者に見積もりを取る複数の業者から比較。資格の提示を求める。施工内容・保証・アフターサービスを確認。

  4. 工事の内容を施工前に明確化するガス・電気・配管・排気・廃棄物処理など、どこまで含まれるか。見積もりに含まれていない追加費用の可能性も事前に確認。

  5. 工事後のチェックを怠らないガス漏れ検査、燃焼状態の確認、排気の逆流がないか、異音・異臭がないかの確認。マニュアル通りかどうかを確認。

業者選びのポイント

  • 資格を保有しているか(上記の必要資格)を確認する

  • 実績・口コミを見て信頼できるか判断する

  • 保証・保守サービスが明確かどうか

  • 見積もりが明朗で、後から追加請求が起きにくいか

  • 提案内容が安全面を重視しているか


まとめ

DIYで給湯器を交換することには、費用節約というメリットがある一方で、重大な事故・法的トラブル・保証や保険の問題などのリスクが非常に大きいです。ガス・電気・水道という三つのインフラを含む機器であるため、誤った施工は人命や建物を危険に晒す可能性があります。

安全・安心を優先するなら、少なくともガス・電気・排気などの専門部分は有資格の業者に任せ、「自分でできること」に限定することが賢明です。見積もりを取り、資格を確認してから工事を依頼することで、後悔しない交換を実現できます。


豆知識

  • 法定点検制度:給湯器(特にガス給湯器)には、製造から9〜11年程度で「長期使用製品安全点検制度」による定期的な点検が推奨されています。これにより、経年劣化による事故を未然に防ぐことができます。

  • 号数とは:給湯器の「お湯を出す力」を表す指標で、家族の人数やお湯の使い方によって適切な号数を選ぶ必要があります。号数が小さすぎるとシャワーが弱く、号数が大きすぎるとガス代が無駄になることも。

  • ガス種の相違:都市ガス(東京ガスやプロパン以外のガス会社)とLPガス(プロパンガス)ではガスの圧力や接続部品が異なることがあり、機器が対応していないと大事故の原因になります。

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